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24 歳、東京に家を買う

東京で新築の戸建てを買った。

家を買うと、ローンやら保険やらで色んな人と自分の個人情報を共有した上で話をすることになるのだが、「この歳で家買ったんですかー」とほぼ 100% 言われる。

流石にこれだけ言われると、珍しいことなのだろうと調子に乗ってきて、「そうだ、せっかくだし記録のためにブログを書こう」と思い立った。

思い出として自分が後から読みたくて書いているので、読み物だと思って欲しい。
(家を買うことについては他の人のブログや不動産屋に話を聞いた方が参考になる)

前提: 買った家のスペック

施工の様子: 基礎

施工の様子: 基礎

  • 東京都墨田区
  • 3 階建ての新築戸建て
  • 現在建築中で年末ごろ引き渡し予定
  • 土地 (所有権) + 建物の建売
  • 駅徒歩 3 分
  • 3LDK + 屋上付き
  • ハウスメーカーはオープンハウス
  • 5000 万円くらい

前提: 当時の自分のスペック

  • 大卒 24 歳。
  • 妻あり、共働き。
  • 株式会社ゆめみの新卒 3 年目。
  • 夫婦ともフルリモート。
  • 入社と同時に三軒茶屋の 1LDK 賃貸に引越し、現住。
    • 家賃が 18 万くらいで高いなーと思っており、ちょっと郊外に越そうかと考えていた。
  • 賃貸派だった。

家を買うまで年表

  • 2021 年 7 月
    • 今の家賃が高いと言うことで、他の賃貸を探す。
      • 結婚前から三軒茶屋で同棲していた。
    • 数件内覧したが見つからず更新を決意。
  • 2022 年 1 月
    • 結婚
  • 3 月
    • 賃貸 2 年更新
  • 4 月
    • 下北沢でオープンハウスの営業に街中で声をかけられ、家を買うことに興味が湧く。
      • なんで興味が湧いたかは後で詳しく書く。
    • 内見しまくる。
    • 国分寺の物件に申込むも先客があり契約に至らず。
    • また国分寺の物件で、好条件のキャンセル物件に出会い 1 番手で申込むが「キャンセルのキャンセル」を食らい契約に至らず。
    • ちょっと家探しモチベ低下。
    • ハザードマップを許容するように方向転換。
    • 契約成立。
  • 5 月 〜 現在
    • ローンやら保険やらが大体終わって落ち着いてきた。
    • ほぼ毎週末見に行っていた家も大方できてきた。
    • あとは引越しを待つのみ。

大体こんな感じで、 4 月はほとんど家探ししてた。
2 件ほど申し込んだもののダメだったが、結果いい場所で家を変えたので良かったと思っている。

家を持つことへの興味の変化

施工の様子: 棟上げ

施工の様子: 棟上げ

夫婦共に元々は賃貸派だった。

  • 数千万円の借金なんて考えられない。
  • せっかくフルリモートでどこに住んでもいいのに、なんでわざわざ家買って根を張るの?
  • コロナ終わったら外国に長期滞在してみたい。
  • 地元が山陰で、東京の狭小住宅が生理的に受け付けなかった。

みたいな理由もありつつ、特にきっかけも無いので考えてすらなかった。

きっかけは年表の通り 2022 年 4 月で、下北沢で遊んでたらオープンハウスの営業に声を掛けられた。
上手くあしらえばいいのだが、我々夫婦はこう言う営業トークに乗せられやすい性格で、普段から気になっていたこと、その場で疑問に思ったことを次々質問してしまう。

色々話が弾んで気づいたら、家の近くまで送ってもらうついでに完成物件を見に行くことになっていた。

まだまだその時は家を買うなんて冗談でも思ってなかったが、向かう車内の会話が我々の興味を大きく変えた。

その営業マン (A さんとする) は僕たちよりちょっと年上だったが 26 歳くらいの若手で、最近まで 2LDK の戸建てを持っていたと言う。
その家を A さんは非常に気に入っていたらしいのだが、私生活の状況が変わりつい最近手放したらしい。
なんと買った時よりも数百万円高く売れたらしい。

「東京で買えばこんなことも良くあります。」
そんな話を聞いて心が揺らぎ始めた。

物件に到着して家を見て驚いた。
マンションと比べて戸建てはこんなに広く感じるのかと。

部屋を増やしたかったので一度郊外の賃貸マンションを見て回ったのだが、 2LDK 以上の広さだと 20 万円はしてしまい、今より家賃が高くなる。
しかし戸建てを 35 年ローンで買えば、月々の支払いは今よりかなり安くなる。

さらに生活の変化、例えば帰省したくなっても、そこまで値崩れのリスクを抱えないで売却が期待できると。

今まで持ち家 = 一生そこに住むっていう偏見が無くなり、そんな買い方があるのかという発見になった。

「持ち家ええやん。」
我々夫婦はそこから 1 ヶ月ほど毎週末を内見に費やすことになる。

契約までに見た物件と、希望条件の変化 (長いので注意)

内見を沢山したし、その中でどんどん僕たちの家に対する希望も変化した。

最初の条件で現実を知る

家を探し始めた最初の最初はこんな感じだった。

  • 4000 万円まで
  • 庭付き
  • 資産性 (= 売りたくなったらすぐ売り手がつく) を最重視
  • 周辺環境が良ければ都内じゃ無くて良い
  • 築 10 年以内
  • 駅徒歩 15 分
  • 水災リスクが低い西側希望。

こんな家は無かった。かすりもしなかった。
4000 万円で庭付き = 郊外で土地が余っている = 資産性は東京より大きく落ちる。
この矛盾が解消できず、資産性を犠牲にするのは僕たちの原則からズレてくるので以下のように条件を変えた。

条件をちょっと変えて、ライフプランを練り予算を設定

  • 4000 → 4500 万円まで
  • 庭付き
  • 周辺環境が良ければ都内じゃ無くて良い → 都内 (23 区外)
  • 資産性重視
  • 築 10 年以内 → 新築
  • 駅徒歩 15 分
  • 水災リスクが低い西側希望。

予算を少し上げて、敷地の広さを諦め、都内に限定した。

また、このタイミングで FP (ファイナンシャルプランナー) 相談を挟み、よくあるライフプランサイトよりももっと細かい条件でライフプランを作成してもらい、どれくらいの金額であれば購入しても余裕があるのかを試算した。
とにかくローン破産が怖かったので

  • 昇給率はとにかく低め
  • 産休・育休はフルで取る
  • 子は 2 人
    • 習い事して、大学まで行く
  • 車を 5 年に 1 回買い換える
  • 3 年に一回家族で海外旅行に行く
  • 貯金もしっかりする

みたいな感じで自分たちの想像できる中でガバガバお金使うライフプランで試算した。
結果として、大体 6000 万円くらいの借り入れであれば余裕を持って返済しつつ貯金もできそう、みたいな感じで納得できたので、予算を 4500 万円にすることもそんなにためらわなかった。
(金銭感覚はとっくにバグってた)

また、このタイミングで判明したが、若いうちに家を買うメリットとしては「ローンの返済が現役時代に終わる」というのがある。
僕たちは 24, 25 歳でローンを組んだので 35 年後は 60 歳であり、まだ定年前だ。
そうするとローンも比較的通りやすく、選択肢が広がる。

ちょっと条件を緩めたからか、いくつか候補になりそうな物件が出てきた。
大体エリアでいうと立川市と西東京市の間で上がってくることが多かった。

いくつか内見をして、国分寺市の物件が非常に気に入った。
まず、国分寺という街の印象が良く、なかなか栄えていて住む分には困ること無く、中央線が通っているのでどこにも行きやすい。
旗竿地だったが、真後ろが図書館で建物までの距離がかなり空いており、隣の家とビタビタみたいなことも無く、物件自体の条件も良かった。

最初に申し込んだ国分寺の物件

最初に申し込んだ国分寺の物件

気に入ったので申し込もうと思ったが、既に何件か申込みが入っているらしい。
前の人が全員キャンセルする可能性は非常に低いと思ったが、一応急いで申込書を作ってもらった。

ダメだった。
分かっていたが、かなりショックを受けてしまった。

一度申込みがダメになると次が難しかった

もし同じような人がいたら共感してもらえるんじゃないかと期待するが、一度申し込むとそこからが非常に難儀した。
どの物件を見ても一度気に入って申込みまでした「あの物件」と比較してしまう。
街が微妙とか、隣が図書館じゃないとか (そんな物件が探してあるわけないが)。

ラッキー物件との出会いと別れ

何週間か内見をするだけの日々が続き「もうちょっとゆっくり探そうかー」なんて夫婦で話していた時に、今度こそという物件に出会う。

  • 国分寺 (!)
  • 一度数ヶ月前に契約されたが、転勤の関係でキャンセルになった物件
  • 数ヶ月前はちょっと相場が安かったらしいが、売り主も買い手が居なくなるのは嫌なので同じ値段で売る予定
  • 注文住宅 (セミオーダー)
    • 注文住宅ほど自由は効かないが、内装だったりオプションは自由にできて、間取りもある程度は自由が効く

土地だけ見て速攻申し込みをした。
一番手で申し込めた。

まだキャンセルが成立していないらしかったがほぼ契約できたみたいなものだったので、そこからは楽しかった。
注文住宅ということで、どうしてやろうかと夫婦で話し合った。
同じようなオープンハウスの注文住宅で建てたブログを読み漁って、オプションやできることを把握し、 Notion にどんな家にするかの設計図を作っていった。
3D CAD で間取りのモデルを作って間取りをいじり、想像するくらい楽しみだった。

しかし、ダメだった。
キャンセルをキャンセルされた。結局元々買った人が建てることにしたらしい。
「あーもう家買えないのかー」なんて、落ち込みつつもでかい借金をしなくて良くなったからかちょっとホッとしたりしていた。

視点の変更

実は 2 件だめになったタイミングで僕たちは他のハウスメーカーを検討していた。土地から購入して注文住宅もありかなと思っていた。
2 連続で国分寺だったので、多分視点を変えないとまた比較してしまうと思ったからだ。

しかし以下のことが分かって、結局オープンハウスに戻ってきた。

  • オープンハウスほど建物を安く建てられるハウスメーカーはなかなか無い。
    • オープンハウスの見積もりを他のハウスメーカーに持っていくと「オープンハウスには値段で勝てない」と言われることもあるらしい
  • オープンハウスは極めて「立地」に極振りしたハウスメーカーである。
    • 建物のグレードは低いが、いい立地の土地を買い漁って分譲化している。

つまり、僕たちの元々の動機だった「売りたい時に売れる家がいい、資産性を取りたい (= 価値として土地の割合が多ければ多いほどいい)」という条件だとオープンハウスは適していることが分かった。

ハウスメーカーを変えないのであれば、条件を変えるしか無いと思った。
最終的に以下のような条件で探した (実は埼玉県を検討したりとちょっと寄り道もしたのだが省略する)。

  • 4500 万円 → 5000 万円まで
  • 都内 (23 区 → 内)
  • 資産性重視
  • 新築
  • 駅徒歩 15 → 10 分
  • 水災リスクが低い西側希望 → ある程度のハザードマップは許容。
  • 所有権 → 借地権もあり。

要するにハザードマップを許容した。
水災リスクがあると資産性が西側よりも落ちると思ったので、 23 区内に限定して駅からの距離を短くすることで立地のバランスを取った。

ちなみに、もし東京で家を買うことを考えていて、僕たちみたいにどこに住んでもいいっていう場合は、以下の本とかである程度知識を頭に入れておくといろんな考え方ができて面白いと思う。
(適当に本屋さんで見つけた本なのだが、以下の本は改訂版が 2019 年末出版で少しだけ古いので、探せば新しくていい本あるかも)

目黒区、足立区や蒲田などの物件がいくつか出てきた。
土地の内見を行い、最終的に墨田区の物件が非常に気に入ったのでそこを申し込み、無事契約できた。
購入した物件で気に入ったのは以下の点。

  • 5000 万円に収まる。
    • 都内かつ所有権だと 6000 万円周辺が多かった。
  • 所有権。
  • 駅徒歩 3 分で近い。
  • 皇居を中心とする同心円状に見た時に、三軒茶屋と中心からの距離がそこまで変わらなかった。
  • 複数路線が通っており、どこに行くにもアクセスが良い。
  • 高い建物に囲まれておらず、ルーフバルコニーがついている。
    • 墨田区なのでスカイツリーは確実に見れるし、隅田川花火大会が見れるかなという期待。

選択を正当化したいという気持ちが働いている可能性もあるが、先に申し込んだ 2 物件よりもいい物件が購入できたと思っている。

まとめ

現在はほとんど外見はできている

現在はほとんど外見はできている

将来自分が「こんなこともあったかー」と見返したくなるであろうと思い、かつ家を買うには年齢的に比較的早いということで折角なのでブログに一部始終を書いてみた。

自分のために書いている性質上、残念ながら教訓や役に立ちそうな知識は 1 つも無かったと思うが、もしこの記事を読んで家を買うことに対して興味が湧いたり、何かを考えるきっかけになったならこの上なく嬉しく思う。

この記事はなんだかんだ 2, 3 日かかって書いたのだが、書き終わった今日は 2022 年 10 月 1 日で、引き渡しまでついに約 1 ヶ月だ。

荷造りが始まるとそんな余裕もなくなるのだろうかなんて考えつつも、毎日妻と楽しみだねーという話ばかりしている。

まさか賃貸派で、狭小住宅なんてありえない、そのうち田舎で永住したいと思っていた自分が東京で家を買うことになるとは人生で一度も思っていなかった。
完全に勢いだったなーと反芻する。
住んでみたら「酷すぎてやっぱり売ります」なんてことになれば、それはそれで面白いのでブログにするかもしれない。

もしオープンハウスに興味が湧いたら紹介するので Twitter の DM 等で連絡ください。
今もやってるかわからないですが、 10 万円分の商品券が貰えるかも。

近ごろブログ書いてなかったが非常に長くなった。最後まで読んだ人はいるんだろうか。
読んでくれた人がいたらありがとうございます。

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