僕は去年まで大学生で卒業研究にフルコミットしてました。
でも、研究は大変で、
- 次何やったらいいか分からない
- 今やってることが効率悪い気がして怖い
- この研究意味があるか…
なんて常に不安と戦って研究してました。
そんな 1 年前の僕に今の僕から伝えたい「研究に向き合う姿勢」を学部生向けにアウトプットしようと思います。
結論から書くと
- 論文を読もう
- 研究ノートをつけよう
- 教員をなめるな
- 結果を大事にしよう
- 学会に出よう
です。
それぞれ深堀りしていくので、お付き合い下さい。
論文を読もう
僕は論文を真剣に読み始めるのが遅かったです。
最初の半年は論文を読む重要性を知らずに、ひたすら手を動かしていました。
ですが、論文は最初こそ読みましょう!
最初に読む論文は興味があれば何でもいいです。先輩の論文でも、関連する先行研究でも、そうじゃなく単なる興味でも。
手を動かして進捗を出したい気持ちは死ぬほど分かります!!
でも、勇気出して論文読みましょ。
もし進捗報告する場があるのであれば、読んだ論文から得た知識を共有してみるのでも十分だと思います。
学部生にとって、論文を読むというのも立派な進捗ですし、得た知識を共有する方が周りのためになることも多いです。
確かに最初は論文を読まずに手を動かすことばかりしている方が、研究自体の進捗は出しやすいです。
でも、同期でちゃんと論文読んでたやつは後半になって僕とは桁違いの速度で進捗を生んでいきました。
これは「研究者の考え方」を知ったからがでかいと思っています。考察の加え方や問題へのアプローチが研究者のそれに近づくからだと思います。
論文の読み方
学部生にとってはイントロがとても勉強になると思います。
- なんでこの分野の研究がされてて
- どういうふうに役立って
- どんな問題点があって
- だれがどんな風に先行研究されてるか
を知ることができます。
また、「論文を読む」というと理論をガッチリ理解して式を追って…と考えがちですが、そこまで厳密に理解する必要はないです。
その理論を自分の研究に使おうとする時など、必要が出た時に改めて理解すればいいと思います。
論文を読む理由
これは色々ありますが、
- 分野共通の課題を知る
- 自分の論文に引用できる
- テクニックを知れて、研究を進める時に本質に集中できる
- 論理展開の仕方が分かる
- 自分がどれくらいの結果があれば論文を書けるのか、学会に出れるのかが知れる
などがあると思います。
研究ノートをつける
次に、研究ノートを付けましょう。
研究ノートと言っても大したものじゃないです。
僕は B5 の白紙のノートに落書きみたいな絵と文字を書いていました。
授業ノートは見返さないこの僕が、研究ノートだけは頻繁に見返していました。
あと、ドクターの先輩は毎日、その日の研究に約 1 ページの考察を書いてるらしいです。すごいけど、ここまでいきなりする必要はないです。
研究ノートのポイント
- 日付を上に記録しよう
- きれいに書こうとしない
- 何でも書く
を意識すると良いと思います。
日付を上に記録しよう
日付は後で見返す時に役立ちます。
きれいに書こうとしない
何でも書く
これはノートに書くハードルを下げるためです。
ノートに書くこと
- 気づいたこと (アイデア)
- 実験やシミュレーション、計算条件などのメモ
- 考察
- タスク
などを僕は書いていました。とにかくなんでも書いていました。
ある程度固まった知識・ノウハウになったらデジタルのメモにしっかり目に記録して、あくまで研究ノートは落書きでした。
教員をなめるな
正直教授や、助教ってもちろんすごいんですけど、どこかで自分一人でもやっていけるみたいなこと思ってました。
教授や助教って当然ドクター行ってて、そんな人って実績に見合った知識・経験・ひらめきがあります。
特に知識量はほんと半端ないです。
研究分野以外でも「なんでそんなこと知ってんねん」みたいな事だらけです。
自分は教員陣と深く関わる程に「あ、この人達にこの分野で勝てないな」って思ってしまいました。
じゃあ、どうするか?
積極的に質問しましょう!!!いっぱい質問して、知識・考え方・ひらめきを吸収するといいです。
ただし、相手の時間を奪ってることには注意して。
深く接して分かりましたが、教員ってみんな研究大好きなんです。
でもその他の業務に追われすぎて研究する時間をあまり取れない方が多いです。
なので、質問するときはある程度自分で考えて、質問したいこと・困っていることなどまとめてから聞くようにしましょう。
結果を大事にしよう
僕は工学部にいたので、
- 何かを作ったり
- 結果を得たり
に集中してしまいがちでした。ですが研究において大切なのは
- なぜその結果になったのか
- 一見良さそうでも、本当に正しい結果なのか
を頭を使って考えることです。
結果を出すだけでは研究にはならず、結果に対する妥当性・考察を加えて初めて研究になります。
あと、意外に頭使って研究してる学部生少ないので今のうちから癖付けとくと差が付きます。
ここでいう「考察」は自分の考えで良くて、あまり間違いを気にしなくていいです。
間違ったら先輩や先生が訂正してくれるので。
学会に出よう
最後に、チャンスがあれば積極的に学会に出てほしいです。
何ひとつ悪いことはないと思っています。
研究室によっては学部生は学会に出さないところもあるらしいですが、個人的な意見として、バンバン出るべきだと思います。
理由は、
- 結果をまとめるいい機会になる
- 発表や論文執筆の練習になる
- 外部からの意見がもらえる
- 今後の研究生活の雰囲気がつかめる
- (優越感がすごい)
などなどたくさんあります。
どうせ院に行ったら学会にバンバン出るので学部生のうちから慣れといて損はないです。
僕は学部 4 年のうちに 2 回学会に出ましたが、どちらも学びになりましたし、卒論の材料にもなりました。
学会に参加すると強制的に「人に見せる資料」を作ることになり卒論で慌てなくて済みますし、教授陣に研究を始めた早い段階で「学会にチャンスあれば出たいです」と伝えると良いと思います。
僕は 3 年の終わり頃に伝えていたので、教授から「こんな学会あるけど?」と提案頂けました。参考までに。
まとめ: 急がば回れ
僕は研究初めてすぐから、「結果を出すこと」に固着して論文を読むのが疎かになり、手を動かすことを優先してしまってました。
恩師も言っていましたが、研究は効率ではなく、時間がかかるものです。
そして、時間がかかるということを認識し、腰を据えて研究に向き合ったほうが、最終的に早く結果がでると思っています。
ぜひ、急がば回れ、で研究に取り組んでみてください。